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2013/02/26

【藤井聡】【三橋貴明の「新」日本経済新聞】 第32回 武士道の不可思議 20130226


三橋貴明の「新」日本経済新聞
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/02/26/fujii-32/

【藤井聡】武士道の不可思議

FROM 藤井聡@京都大学


昨日もまた、「八重の桜」を見ていて、
何とも言えない心持ち。。。になりましたので、
今回はそのお話をいたしたいと思います。

幕末に会津は、薩摩や長州、そしてあらゆる攘夷派の志士が跋扈し、
激しい混乱が続く京都をお守りする「京都守護職」を
幕府から命ぜられ、
何百キロも離れた遠く会津の地から、
藩主松平容保自らが軍を率いて京の都に赴き、
都の警備にあたります。

何百もある藩の中から、
何百キロも離れた会津藩が、
「京都守護職」という
極めて重要なお役に任ぜられたのは、
会津藩の兵力の強さもさることながら、
会津藩の幕府に対する、そして何より帝(みかど)に対する
忠心の深さ、義理堅さが
何よりも重要であったといいます。

そしてその会津藩の忠節の深さは、
時の天皇であられた孝明天皇にまで届きます。

そして、時の会津藩主、松平容保は、
孝明天皇から、
「朕が最も会津を頼みとする」
という直々のお言葉をご親筆(直筆の書簡)を通して賜るほどに
陛下からの厚い信頼を得ることとなります。

しかしながら、その当時の時代状況の中では
京都守護職という重いお役を担い続ければ、
藩そのものが滅び去ってしまうことも、
十二分に予期されるのが実情でした。

だから会津の家臣たちは、
藩主・松平容保に、
会津藩がつぶれてしまうことを避けるために、
京都守護職を退任することを、
何度も何度も進言します。

この進言に対して、容保は

「損な役回りゆえに、放り出せというのか。
それは卑怯であろう」

と答えます。

しかし家臣は、
「会津を潰してもよいと思し召しめまするか」
とさらに詰め寄ります。

こうした問い詰めに対し、容保は

「お上は、ただ一人で国を担う重さに耐えておいでだ。」

と陛下を慮る言葉を口にしたうえで、

「一藩をかけてでも、お守りする。それが会津の義だ」

と言い放ちます。

・・・

つまり、陛下のために、この会津の藩をつぶすのであり、
それこそが、会津がなさねばならぬ事なのだと、
松平容保は断言したのでした。

こうしたやりとりのどこまでが真実で、
どこまでがドラマ上の脚色なのかは、
筆者には分かりません。

しかし、その後の会津の振る舞いを見れば、
会津が、この松平容保の台詞通りの思いを持っていたことは、
間違いありません。

そして事実、この家臣の心配通りに、
会津藩は、ほどなくして、会津戦争を期に
実質的に亡び去ることになりました。

・・・・

しかし、会津の白虎隊の物語をはじめ、
あえて滅亡を選んだ会津の生き様、あるいは、死に様は、
その後の日本人の心をつかみ続けていくこととなります。

そして、今日では、この「八重の桜」の大河ドラマとなり、
平成日本人の心も揺さぶり続け、
今もなお、正しき振る舞い、生き様とは何か、
そして、正しき国家の政治のあり方とは何なのかを、
問い続ける結果となったのです。

もちろん、それは会津の家臣のあずかり知らぬ事でしょうし
松平容保すらもが予期した未来ではないことでしょう。

しかし、その道に赴いた松平容保に、
今日、会津の物語が未だに語り継がれているという未来を
伝えることに成功したとしても、
彼は何も驚くことなどないのかも知れません。

なぜなら、正しき振る舞いとは、そういうものだという事は、
多くの武士達に共有されていたのではないかと。。。。思うからです。

例えば、山本常朝の「葉隠れ」の中にある、
かの有名な言葉、

「武士道とは死ぬことと見つけたり」

で始まる言葉が、どの様に結ばれているかご存じでしょうか。。。。?

それは、次のような言葉で締めくくられているのです。

「毎朝毎夕、改めては死に、改めては死に、
常住死に身になりている時は、
武道に自由を得、
一生落ち度無く、家職を仕果すべしなり」

(毎朝毎夕、いつも死を覚悟し、
 いつも死に身の様な状態にあれば
「武道」の内に、
 自らの振る舞いの全ての理由(自由)を
得ることができることとなる。
 そして、一生涯、大きな間違いを犯すことも無くなり、
 お家(あるいは藩、国家)のためにお役に立つ仕事を
 一生涯、滞りなく果たし続けることができるだろう)

つまり、何もかも自らの死を覚悟した振る舞いをし続けることこそが、
お役に立ち続ける秘訣中の秘訣なのだ。。。。という次第です。

。。。。が、山本常朝は、この言葉を決して文字にするべからずと
言い続けたらしいですね。

なぜなら、こういう「秘訣中の秘訣」は、
文字にしてしまうとその「魔法の効力」が無くなってしまうから。。。。なんでしょうね。

だから、松平容保も、「一藩をかけてでも」とは口にするものの、

「一藩をかけてでも、お守りしたら、会津っていう藩が
 後世まで記憶されつづけて、結局それを通して、
 ずーーっと、日ノ本の国日本に、お役に立ち続ける
 最善の策なんだよねぇぇ」

なんてことは、100パー、ぜぇぇぇっっっったいに、
口にはされないわけですね(笑)。

。。。。にしても、江戸時代に何百もあった藩の中で、
会津藩はたしかにいち早く取り壊されたかもしれませんが、
結局はすべての廃藩置県で取り壊された中で、
間違いなく、最も日本人の記憶に深く深く入り込み、
まっとうに生きるとは何なのか、
まっとうに政(まつりごと)を行うとは何かを、
問い続けるという稀有なる藩となった。。。ということは間違いありませんね。

。。。。ということで、

「一藩をかけてでも、お守りする。それが会津の義だ」

という台詞を耳にした時に、頭をよぎった想念をお話ししようとしただけで。。。。これだけの文章が必要になっちゃったってのも、申し訳なく思いますが。。。。。とにかく、また、また来週!

追伸:
以上にお話した武士道の不可思議、あるいは、不如意は、
社会科学的に論ずると、以下のようになるかもしれません。
amzn.to/X5kqaL

PPS
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